発がん性を持つヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐことが、このワクチンの目的です。子宮頸がんという病気は、ワクチン接種によって予防できる数少ないがんの1つとなっています。
ヒトパピローマウイルスは多くの型が存在します。その中で特にがん発症との関連が強いものを「ハイリスクHPV」と分類しており、16型や18型など約十数種類が該当します。
国内では長らく「ガーダシル」と「サーバリックス」という2種類のワクチンが使用されてきましたが、2020年に新たに「シルガード9」が承認されました。みどりレディースクリニックでは、「ガーダシル」と「シルガード9」の両方を提供しています。
子宮頸がんとは?
毎年約1.1万人の女性が新たに診断され、約2,900人が命を落とす病気、それが子宮頸がんです。子宮の入口に生じるこのがんは、妊娠期に見つかることもあり、その場合出産を諦めざるを得ないケースもあることから「マザーキラー」という呼び名もあります。
ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染が主な発症要因となっており、ワクチンによる予防が可能です。
子宮頸がんの原因は「HPVウイルス」への感染
ほぼすべての子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus: HPV)への感染が引き金となって発生します。
このウイルスは性別を問わず感染するもので、性的接触により伝播します。実際、多くの女性が人生で一度はこのウイルスに感染すると言われています。
感染しても通常は体の免疫システムがウイルスを除去しますが、何らかの理由でウイルスが体内に留まり続けた場合、細胞の異常増殖が始まり、がんへと進展する恐れがあります。
子宮頸がんになりやすい人はいる?
性交渉の経験を持つ女性であれば、年齢や経験の多寡に関わらず誰でもリスクがあります。子宮頸がん患者の95%以上でHPV感染が認められており、性交経験がある女性の50~80%もの人がHPVに感染している可能性があるとされています。
性交渉の頻度やパートナーの数が多ければ感染する機会は増えます。ただし、たった一度の性的接触でも感染は起こり得るため、「経験が多いから感染した」という考え方は誤りです。
国立がん研究センターのデータを見ると、20代後半から発症率が徐々に上がり始め、30代後半から40代で最も多くなります。
子宮頸がんはワクチンで予防できます
子宮頸がんはワクチンで予防できます。性的な経験を持つ前のワクチン接種が理想的とされていますが、すでに経験がある方でも今後新たに感染する可能性を減らす効果が見込めます。医師との相談のうえで接種をご検討ください。
当院では「シルガード9(9価)」と「ガーダシル(4価)」という2タイプを用意しています。シルガード9は9種類のHPV型に、ガーダシルは4種類の型に効果を発揮します。
子宮頸がんワクチンの効果
がんそのものの発症を直接防ぐという証明はまだ得られていませんが、HPV感染そのものや、がんの前段階である子宮頸部異形成を防ぐ効果は科学的に実証されています。
アメリカでは2006年からワクチン接種を開始し、導入前(2003~2006年)と推奨後(2009~2012年)のデータを比較した研究で、HPV感染率の明確な低下が報告されました。イギリスやスコットランドでも同様の効果が確認されています。
子宮頸がんワクチンの副作用
不活化ワクチン特有の副反応として、接種後48時間以内に症状が現れやすい傾向があります。よく見られるのは発熱、注射部位の痛みや腫脹、頭痛、筋肉の痛みなどです。
極めてまれなケースとして、アナフィラキシーショックや複合性局所疼痛症候群(CRPS)といった重篤な反応が報告されていますが、発生頻度は他のワクチンと比べて特に高いわけではありません。
注意事項
接種をご希望の方は、まず『婦人科初診』でのご予約が必要です。公費対象で初回接種の方は、シルガード9(9価)の在庫があれば当日の接種も可能です。
初診当日の接種を希望される場合は、予診票と母子手帳の持参をお願いします。
公費接種には年齢制限があります。詳細は横浜市の「子宮頸がん予防接種について」ページでご確認ください。なお、他自治体在住の方は公費での接種を受けられません。
自費接種を希望される方も、医師との相談後にワクチンを確保する流れとなりますので、『婦人科初診』でご予約ください。
当院では『ガーダシル』と『シルガード9』の2種類を扱っています。医師から詳しい説明を受けたうえでお選びいただけます。
子宮頸がんワクチンの費用
| ガーダシル(4価) 1回目 | 18,480円(税込) |
|---|---|
| ガーダシル 2・3回目 | 16,500円(税込) |
| シルガード9(9価) 1回目 | 41,800円(税込) |
| シルガード 2・3回目 | 38,500円(税込) |
※シルガード9は4月より公費となります。詳しくはこちらをご確認ください。
公費の接種対象者の方
自治体から子宮頸がん予防ワクチン接種に関する通知が届いている方は、同封されている予診票に事前に記入し(保護者の署名必須)、持参してください。
予診票をお持ちでない場合は当院で準備できますので、来院時に受付でお申し出ください。接種日は必ず保護者の方と一緒にご来院ください。接種後は経過を観察するため、院内で30分間お待ちいただく必要があります。
すべての発がん性HPVを防げるわけではないため、ワクチン接種後も継続して子宮頸がん検診を受診してください。
現在、小学6年生から高校1年生に相当する女子が定期接種の対象です。
平成9年度から平成21年度生まれ(1997年4月2日〜2009年4月1日生まれ)で、令和4(2022)年4月1日~令和5(2025)年3月31日までにHPVワクチンを1回以上接種した方も、令和5(2025)年4月から令和8(2026)年3月までの2年間は公費での接種が受けられます。詳細は厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
