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性感染症

性感染症とは

性感染症とは性感染症(STD:Sexually Transmitted Disease)とは、性的な接触を通じて感染する病気の総称です。腟への挿入行為だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスなど粘膜同士が接触する行為でも感染します。
症状は性器周辺に限らず、喉や全身に現れることもあります。多くの性感染症は自覚症状に乏しく、感染に気づかないまま過ごしているケースが少なくありません。また、一度感染すると自然に治ることはほとんどないため、知らないうちにパートナーへ感染を広げてしまう恐れがあります。
感染予防と早期発見のためには、正しい知識を身につけ、適切な検査・治療を受けることが大切です。

性感染症が疑われるときの受診目安

心当たりのある性行為があったとき

  • コンドームを使用しなかった
  • 性行為の途中でコンドームが外れた・破れた
  • 新たな人と性的関係を持った

症状

  • おりものの量・色・においが変わった
  • 下腹部に鈍い痛みや違和感がある
  • 性器周辺のかゆみ・腫れ
  • 性交時の痛み
  • 排尿時の違和感・痛み
  • 不正出血が続く

性感染症の種類と原因

クラミジア

国内で最も患者数の多い性感染症です。20〜25歳に感染のピークがありますが、幅広い年代で見られます。水様性のおりものの増加、不正出血、性交時の痛みなどが起こることがありますが、多くの場合は無症状です。

適切な内服治療で完治しますが、放置すると将来の不妊につながる可能性があるため、パートナーと一緒に治療を受けることが重要です。

梅毒

梅毒トレポネーマという細菌による感染症です。感染した部位(性器・口・肛門など)にしこりができ、鼠径部(足の付け根)のリンパ節が腫れることがあります。ヘルペスと異なり痛みを伴わないのが特徴です。

進行すると手のひらや足の裏、全身に淡い発疹が出現しますが、これらの症状は治療しなくても一時的に消失します。しかし放置すると神経や血管など全身に影響が及ぶため、近年の感染者増加を踏まえ、少しでも気になる症状があれば検査を受けましょう。

性器ヘルペス

単純ヘルペスウイルス2型の感染によって発症します。性器に水疱や潰瘍ができ、鼠径部の腫れや痛みを伴います。初感染時には発熱や全身倦怠感が現れることもあります。

内服薬で治療しますが、ウイルスは体内に潜伏し続けるため、体調不良時や月経前に再発することがあります。再発頻度が高い方には、予防的な投薬や再発抑制療法をご提案しています。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染で起こります。子宮頸がんの原因となるHPVと同じ種類ですが、発がん性は低いタイプです。外陰部から肛門周囲にかけて小さなイボが多発します。

多くは視診で診断しますが、必要に応じて一部を切除して病理検査を行うこともあります。

性器カンジダ症

体内に常在するカンジダ菌(真菌)が増殖して発症します。他の性感染症とは異なり、ストレスや疲労など体調の変化をきっかけに自然発症することがあります。女性に多く、外陰部の発赤・腫れ・強いかゆみが主な症状です。

HIV

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した状態を指します。感染後1〜6週間で抗体が作られますが、自覚症状がないまま数年かけて免疫力が徐々に低下していきます。

免疫機能が著しく低下し、通常では問題にならない病原体にも抵抗できなくなると、さまざまな感染症や悪性腫瘍を発症します。この状態をエイズ(後天性免疫不全症候群)と呼びます。

淋病

淋菌による感染症です。無症状のことも多いですが、子宮頸管に炎症が起こると不正出血や膿性のおりものが見られます。治療せずに放置すると骨盤内に炎症が広がり、強い腹痛や不妊の原因となることがあります。

トリコモナス

トリコモナス原虫による感染症です。性行為のほか、濡れたタオルや便座などを介して感染することもあります。女性では外陰部のかゆみや灼熱感、おりものの増加が見られます。男性は排尿時の軽い痛み程度で、感染に気づかないことがほとんどです。軟膏や内服薬で治療します。

当院で行う性感染症検査と費用

性感染症の検査では、感染の有無を調べるために必要な検体(おりもの・尿・血液など)を採取します。血液検査以外は、基本的にご自身で採取していただけるため、検査のみをご希望の場合は、必ずしも患部を医師に見せる必要はありません。プライバシーに配慮した方法で、安心して検査を受けていただけます。

当院で可能な性感染症検査

疾患 検査 費用(税込)
クラミジア 膣分泌物採取  ○○円
梅毒 血液検査  ○○円
性器ヘルペス 血液検査、視診  ○○円
尖圭コンジローマ 病理検査、視診  ○○円
性器カンジダ症 膣分泌物の顕微鏡検査、培養検査  ○○円
HIV 血液検査  ○○円
淋病 膣分泌物採取  ○○円
トリコモナス 膣分泌物採取  ○○円

当院で行う治療

性感染症は原因によって治療法が異なります。

疾患 治療法
クラミジア 抗生物質(アジスロマイシン、ドキシサイクリン等)
梅毒 ペニシリン系抗菌薬
性器ヘルペス 抗ウイルス薬(アシクロビル等)
尖圭コンジローマ 塗り薬、凍結療法、電気焼灼
性器カンジダ症 抗真菌薬(膣錠、クリーム、内服薬)
淋病 抗生剤の注射や内服(セフトリアキソン等)
トリコモナス メトロダゾール内服または膣錠
HIV 抗HIV薬(ART療法)

性感染症でよくある質問

性行為以外で性感染症は感染しますか?

腟性交だけでなく、オーラルセックス(口腔性交)やアナルセックス(肛門性交)など、粘膜が接触する親密な行為で感染する可能性があります。

以下のような行為では感染しません。

  • 握手などの日常的な接触
  • 咳やくしゃみ
  • トイレの共用
  • 食器の共用

ピルは性感染症の予防に効果的ですか?

ピルは避妊を目的とした薬剤であり、性感染症の予防効果はありません。性感染症を防ぐにはコンドームの使用が有効です。

性感染症の検査はプライバシーが守られますか?

当院ではプライバシーに十分配慮しながら問診・診察・検査を行っています。ご不安な点があれば、遠慮なく医師や看護師にお伝えください。保健所でもHIV検査やクラミジア検査などを受けられますが、確定診断ではないため、感染が疑われる場合は医療機関での精密検査が必要です。

自覚症状がない人からも感染しますか?

性感染症の多くは自覚症状が乏しいため、症状がないからといって感染していないとは限りません。パートナーに症状がなくても感染のリスクはあります。気になることがあれば検査を受けることをおすすめします。